【フットパス日記】兵庫県小野市 鴨池

イギリスには「散歩する権利」というものがあります。

素晴らしい景色を一部の権力者だけが独占するなんで許せない!と民衆が束になって抗議して勝ち取った権利です。

国中にフットパスという散歩道が通っていて、だれでも自由に、もちろん無料で散歩を楽しむことが出来るようになっています。

私も散歩好きの一人として、近場ではありますが、素敵なフットパスを見つけたら日記にしていこうと思います。

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今日は、兵庫県小野市の鴨池に行ってきました。

目的は近くの温泉だったのですが、何となく帰りたくなくてドライブがてら景色のよさそうな鴨池へ。ただの散歩のつもりだったのですが、まさかあんなことになろうとは・・・

 

兵庫県の小野市、三木市加古川市辺りをよく散歩しますが、とにかくこの辺りは池が多いです。もともと水資源がそれ程豊富ではないこの地域は、池を作ることによって干ばつを防いでいたということで、今となっては車をちょっと走らせると、池、田んぼ、池、山、池というように景色の合間合間に池が見られます。

変に観光地化されていないので、柵やコンクリートで周りを固めたりもしておらず、自然のままの佇まいがとても美しいです。

 

上の写真は鴨池ですが、秋になるとコハクチョウやカモなどの渡り鳥がシベリアから数千匹やってくるそう。立て看板には10月頃と書いてありましたが、まだいなかったなあ。

 

静かな水面に浮かぶボート、遠景の木々、丸々太ったアヒルが3匹。

昔は、湖水地方でボートを浮かべて3カ月くらい読書だけして過ごしたい!と本気で思っていましたが、ここでも十分叶いそうです。

池のすぐ横には、ツリーハウス(樹木の中ほどに建てられた家)のカフェもあるんですよ。すごく素敵じゃないですか。

 

ボートも乗りたかったのですが、受付の人が誰もいなくて断念。周りを散歩することに。池の周りには景勝地だけあっておしゃれなカフェやレストランが点在しています。

池の周囲をぐるっと一周回れるかな?と道なりに歩いていくと「鴨池一周散策コース4.8㎞」の看板が。

 

 

4.8㎞。これくらいなら行けると歩き始めたのが16時過ぎ。そこからが修羅場でした。

 

 

 

最初は、金色の稲穂に囲まれて、遠くに鴨池を見ながら「こんなすごいところあるんだ」なんて言いながらのんきに歩いていたのですが、途中から本格的な山道に。しかも、後から調べてわかりましたが、ゴルフ場が池に隣接しているためか散策路は池からかなり外れたルートで、全く池は見えず。もうすぐ視界が開けたところに出るかな・・・と期待しながらくねくね道を曲がりますが、一向に池は見えない。

午前中雨が降ったのもあってか、足場はぬかるんでかなり歩きづらい状態。山道の左右はシダ植物で覆われて、色んな種類のキノコが生えていました。道の中程に頻繁にきれいな水が流れていたので、もしかすると池になる水がしみ出していたのかもしれません。当然大した装備もしておらず、靴に水が浸み込んでくる始末。

 

散策路というにはだいぶ遠い距離を歩いて、巨大なクモの巣をくぐりながら、運動不足の足がそこそこ限界に来た頃に衝撃の事実が。

 

この道、池からどんどん離れていく。

 

電池が切れそうなグーグルマップが道先を案内してくれていましたが、どうやらゴルフ場内を突っ切るルートを示していたらしく、散策路のど真ん中でいきなり山林の奥深くにルート変更されました。。。

このまま進んでも元来た道にはつながらないので、駐車場(池の近くに停めてある)にたどり着けない。最近は陽が落ちるのが早いので、17時過ぎると周囲はかなり暗くなる。しかも、散策路ちょうどど真ん中で疲労困憊。

グーグルマップの表示が変わったのが、ちょうど山道に入って初めてゴルフ場が見えた場所だったのですが、高い金網の向こうに見える長閑な景色に、思わず白目をむきそうになりました。一瞬、金網を登ってゴルフ場に出ようかと思いました。思いましたが、大人なのでやめました。

 

迷っている暇もないので、結局そのままUターンして元来た道を戻ることに。とりあえず真っ暗になる前に山道を抜けたかったので、帰りは修行僧のような速さで山道を駆け抜けました(笑)

いわゆる本格的な山登りではないですが、山道でだんだん日が暮れていくのって怖いですね!

 

そういえば山道の途中、信じられないことに「ランナー」が私たちを追い越して行きました。普通にランニングシューズにランニングウェアだったと思います。大きなクモつきのクモの巣を破らないように、一生懸命姿勢を低くしながら歩いていた私たちを颯爽と追い抜いて行った彼は、クモを全部顔で受け止めていたのでしょうか・・・?

おかげで、帰りはクモの巣を気にせず歩けました。

 

思いがけない修羅場を迎えたフットパスでしたが、山道の入り口くらいまでは本当に清閑な素晴らしい景色でした。鴨池一周4.8㎞のあの看板はなんだったんだろうと思いますが、あまり細かいことは気にせず、また季節を変えて散歩しに来たいです。